きよみず

バケモノの子のきよみずのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
3.5
#158-2015
夏といえば細田守が見たくなるというけど、また夏の代名詞が生まれた。
今回の新作はサマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪を足したような感じでバケモノの街に迷い込んでしまった孤独な少年九太とバケモノの熊徹のちょっと変わった師弟の物語であり親子の物語。

前作で感動のかの字もしなかった自分としては、クソアツいストーリーにボロ泣きした。前作が公開され細田監督自身が父親になり、今回のテーマが父と子だからだろうか。

バケモノの街へ入り込んでしまった時のワクワクと不安はまさに千と千尋の神隠しのようだったし、磁石の同極のように反発し合ってた2人が成長していく様子、壮大なスタジアムでの決戦でのカタルシス、いつしか強くなっていた2人の絆の強さ、エンターテイメントど真ん中な一本に仕上がっている。

この映画を語る上で外せないのは豪華キャスト。
ガンコで不器用で子供みたいな熊徹を演じる役所広司。彼が父親役として出演している映画を何本か見てるので、イメージそのまんまに耳に馴染む。
主人公九太を少年期は宮崎あおい、青年期は染谷将太とどちらも前作に引き続きの出演。もうここは言わなくてもいいでしょう。

そして広瀬すず。彼女は九太の理解者、楓として出てくるんだけど、この子天才ですわほんと。何やらせてもすばらしいね。
さらに個人的に大好きなリリーフランキーと大泉洋。彼らの語りから映画が始まるのだけど、なんなんだろうあの安心感(笑)。風貌が似ているって理由でオファーがあったらしいけど、役にマッチしすぎ。
こんな豪華キャストにプロの声優さんが混じる中、ズバ抜けてすごかったのは大野百花ちゃん。次郎丸というキャラの少年期を演じているのだけど、その役の可愛さもあってファンになってしまった。どんな女性なんだろうと調べてみたらまさかの13歳。しかもおおかみこどもにも出てるではないですか、恐れ入りました。

たまにそれセリフで言わないほうがよかったのになあとか、某人気ジャンプ漫画を連想させるエンディングだったりと気になる部分はあるけど、エンディングソングstarting overが終わってしまえばそんなこと気にならなくなっているし、興奮が止まらない。
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