Tysuke

怒りのTysukeのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.5
日本映画最高峰の俳優陣と監督が、吉田修一の原作に挑めば、これ程まで素晴らしい映画が出来上がるのですね。

正直、何度か目を逸らしたくなるシーン、耳を塞ぎたくなるシーンが幾つか出てきます。あまりに凄惨で、少し気持ち悪くなったほどです。

渡辺謙と池脇千鶴の説得力のあり、力のこもった演技、大好きです!
これ以上ないキャスト陣で、この人が特に!っていうのが、言うことも憚られるくらい素晴らしい演技合戦。強いて言うなら、前歴不詳の3人を演じた綾野剛・森山未來・松山ケンイチは圧巻。3人共行動から表情まで、滅茶苦茶怪しい。しかし、最終的に謎が明らかになった時にも、それまでの行動や表情に一貫性があることに驚きました。
宮﨑あおいと妻夫木聡は、スイッチの入れ方が本当に上手いなと。観客をグッと引き込む力があります。
広瀬すずが宣伝するべきなのは、「四月は君の嘘」より、間違いなく今作でしょ!また広瀬すずは、凄い女優になった。

ラストで判明するそれぞれの真実に止まらない涙。それぞれが想うことに対して、色んな感情が溢れてしまい、観終わった後は綺麗にぐちゃぐちゃになりました。人はどこまで人を信じることができるのか?そして、その信じることの大切さを感じました。どんなことがあっても信じることができる人に出会えたら、どれだけ幸せか。
ラスト、坂本龍一の楽曲に打ちのめされた。

これは大傑作。
Tysuke

Tysuke