Ayano

怒りのAyanoのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.2
やり場のないこの気持ちが、「怒り」なのか。

「悪人」を観た時の衝撃が忘れられず、李相日×吉田修一なら間違いないだろうと、待ち望んでいた作品。

ようやく観られた…。
想像以上に重たくて苦しくて、流した涙は自分に何も出来ない悔しさのせいだったかもしれない。

隣にいる人のことをわかっているつもりでも、結局全然わかっていない。
信じる気持ちは、いつも疑いと背中合わせにある。
登場人物全員に大切な人がいて、その人を信じたくても、疑わずにいられない瞬間に自分を重ねずにはいられない。

豪華キャストが期待を裏切らず熱演していて、3つのエピソードが混乱することもなく2時間半を駆け抜ける。

目を覆いたくなるシーンもたくさんあるが、そのリアルさに感情を揺さぶられる。

その中で光る、新人・佐久本宝さんの演技。
彼が演じるタツヤのシーンは、号泣必至。飾らない自然な姿が、クライマックスに希望を与えてくれる。
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