八王子で起きた残忍な殺人事件の1年後、東京・千葉・沖縄に現れた3人の男。
今目の前にいるのは、殺人犯なのか。
原作未読で鑑賞。
俳優たちの熱量が凄い。隅から隅まで凄い。
おそらくそれは原作の熱量であり、監督の熱量なのだろう。
生きることは、人と関わることだ。
それぞれの地に、ふっと現れた3人の男は、それぞれに何かを抱え、多くを語ろうとしない。
しかし生きるために人と関わり、その中で生きていることを実感していく。
そしてそこに生まれる信頼、絆、愛。それを否定されることの怖さが、痛いくらいに突き刺さる。
3つの地で紡がれる物語は、そのひとつずつが映画になりそうなほど濃い。
それらが見事に呼応し、『怒り』として大きな渦になっていく様は、圧巻としか言いようがない。
原作者も監督も俳優も、全てが全力でぶつかってくる感覚。
それを全力で受け止めるという、観客としての幸福。
久しぶりにいい邦画に出会えました。