Yuki

怒りのYukiのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.5
話題になったときに
気になってあらすじだけ調べて
映像で観るのは
こんなに遅くなってしまいました。

「怒り」という感情は
ときに人を狂わせてしまう
自分でも制御の効かない
怖いものである、ということを
一番に感じた作品。


大事な人を信じられなかった
自分に対する怒り

シンパシーを感じていた相手から
裏切られたときに感じる怒り

どこにもぶつけようのない
悲しみと共に湧き上がる怒り


それぞれの登場人物が抱える
怒りと悲しみを
役者が表情やしぐさで
丁寧に表現していて、
観ていて辛さもありつつ。

結末を知っていたので、
犯人と思しき3人の男の
描かれ方が上手だなと。

犯人を知らなかったら
散りばめられたミスリードに
翻弄されて、きっと
犯人が誰なのかばかり
気にして観たことでしょう。


八王子での惨殺事件も
残忍すぎる犯行の手口から
怨恨による殺人かと思いきや、
捻れた感情から生まれた
「怒り」よる突発的なもので
やり切れなさを感じた。


人の感情は本当に複雑で
人はいつでもその感情と向き合い
翻弄されながら生きていく
生き物なのだな、としみじみ。


結局泉ちゃんのそばには
誰もいなくなってしまって、
その原因になってしまったことを
彼女は一生悔やむだろうし
悲しむと思う。

連鎖した怒りや悲しみを背負って、
彼女がまだこの先も
生きなくてはならないのが
すごく悲しかった。
Yuki

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