Kana

怒りのKanaのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.0
蒸し暑い夏の日に起きた殺人事件、3人の放浪者が出会う3つの人間関係、そしてまた新たな事件が起きることで動き出すサスペンスミステリー。
宮崎あおい、広瀬すず、妻夫木聡、渡辺謙、錚々たるメンバーによる役者魂のこもった全力の演技がほんとにすごい。
″怒り″という題名だけども溢れていた感情は″哀しみ″と″後悔″。
宮崎あおいがすごかったです…まるで観ている人の心まで絞り出されていくような悲痛に満ちた嘆きに胸が苦しくなる…。
あとはちょい役だったけど高畑充希の演技とあの言葉少ないやりとりもかなりよく…。
ただ、ストーリーとして、脚本として、ミステリーとしてどうかというと…どうなんだろう?
肝心の怒りがなんなのかよくわからないし、宮崎あおいの事情もよくわからないし、ものすごい胸糞悪い展開の連続。
それぞれのいいシーンを切り取って、もっと違うストーリーで意味のある脚本が描けたんじゃないか?なんて思ってしまうくらい、意味がわからない。
何を伝えたいのか。
社会的弱者が落ちぶれていく様や逆境に立ち向かっていく様を描きたかったの?
原作を見ればもう少しわかるのかな、あんまり読みたいとは思えないですが。
なかなかおもしろかったですが、映画館で見なくてよかったな、とも思いました。
やっぱり題名の″怒り″がいまいち納得いかないんですよね…。
Kana

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