サンタムール

怒りのサンタムールのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
4.2
ママちゃりでユナイテッドシネマに駆け込んだところでお財布を忘れたというぐぬぬ。な事件が発生しました。
これがホントの怒りなのか?
ぐぬぬ。な気分でいったん帰宅して、ペットボトルに赤ワインを詰め込み、再度、ハコを替えてトーホーシネマで観賞しました。
前置き長くてすみません。

"怒り"は"悪人"の監督&原作コンビによるヒューマンミステリーです。
どうせスゴい内容なんだろうなと、心にバリアをはって観賞するも…。
今回も監督の掌で転がされちゃったよーん。もう、見終わった後は、ハァーって、ズッシリ重たかったです。
作品はイキナリ、八王子で起こった夫婦の惨殺事件から始まり、ハードなゲイの世界に移ったかと思えば、歌舞伎町でお父さんが風俗店から娘を回収するというヒリヒリするオープニングでした。
もう、宮崎あおいなんて、風俗にくる男達にとっちゃあ、壊してもいいもオモチャのようになってたなんて、感情を殺した父親役の渡辺謙よりも怒りをモリモリにしちゃったな。
物語は、殺人を犯した男が整形して逃亡して一年後、舞台が千葉・東京・沖縄に3パート別れて、それぞれに犯人かと疑わしき男が、現れて、アレコレっていう。。。
3人の疑わしき男の中で、一番安定していて、良かったのは松ケン。宮崎あおいとのピュアな恋愛を育む姿に、もしも犯人だったらどうしよう?と、ハラハラしました。
スッピンのピュア過ぎる宮崎あおいに、不器用過ぎる父親と彼氏。見守る池脇千鶴の女の強さがいいスパイスになってます。
この味付けがまた、いいのよね。
妻夫木君と綾野剛の激しいSEXから始まる愛。
妻夫木くんの野獣のようなコンドームの装着シーンに赤面。(..)
映画やドラマでは男と女にはありがちかもしれない関係が、綾野剛の儚げな感じとか、ホスピスの母とか、お墓とかのエピソードで、身近でディープな恋愛劇に。。
やっぱり、好きなヒトには一緒に居ようとか、結婚しようよ。とかよりも、一緒のお墓に入ろうかって、言われる方が嬉しいような気がするよ。綾野剛の胸キュン演技に、犯人じゃないことを祈りました(^^;
この二人は1ヶ月間同棲してまで、役を作り込んだそうな。(^^;
うん。素晴らしかった。
私の大好物の森山未来。
無人島にいたバックパッカー役。森山未来も役作りのために無人島でしばらく過ごしたらしいんだけど、、。
楽天的で放浪的で人のよさげな感じはあるけど、危うげなハラハラ感。
突然のキレた派手な演技は元々ダンサーの彼ならでは。
やっぱり森山未来。好きな俳優さんです。
外さんなー。
個人的には米兵にレイプされた広瀬すずが、泣き寝入りを大声でボーイフレンドに訴えるシーンで、もう、号泣。
レイプされた世の中の女性の多くが、こんなんなのよ。
もう、どうしようもない怒りでした。
着地点も激しい余韻を残してくれます。
まがまがしい余韻の原因は、このような事件は実は身の回りのあちこちで起こってるんだというライヴ感でしょうか。
今回もズッシリ重たかった~。
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