タケ

怒りのタケのレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
2.0
何か釈然としない。
まず、興味をそそるのは凄惨な殺人現場に残された「怒」の文字に込められた深くて粘着質な怒りの根本。
その理由は「へ?」という感じ。それだけであんな理不尽なことするのか?
物語は犯人とよく似た人相の3人と、その3人に関わる人の話が並行して進んでいく。その中の2人に関わる人物は、途中からアイツは犯人ではないかと疑うが、結局犯人でないと知った時、激しく後悔し、自分を責める…。
とにかく役者の演技は素晴らしいので、感情移入してしまうが、そもそも過去も素性もよくわからない人が犯人に似てたとしたら、そりゃ疑うよな…。
そういう物語の理不尽さと、犯人の理解し得ない行動がアンバランスで、観終わって救いようのない気持ちになる。
この映画で言いたかった「怒り」の根本は、沖縄問題やLGBTや、問題を受け入れられない社会などを題材とした、人間の様々な怒りなのだろうか。だとすると、そこの部分をもう少しきちんと表現してもらいたかった気がする。
そういう、観終わった後の釈然としない「怒り」で、レビューが長くなってしまった。
キャストと演技は素晴らしかった。
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