えいがうるふ

シン・ゴジラのえいがうるふのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
5.0
一言でいって楽しい。大好き。

そりゃツッコミどころは数限りなくありますよ。
日本政府トップがアホすぎて情けないとか(でも悲しいかな結果的に現実よりずっとまし)、
逆にコロナ禍を経た今見ると官僚がまともすぎ漢すぎでファンタジーすぎるとか、
プラレールで作った線路の先にソフビの怪獣を置いてぶつける幼稚園児の遊びと何が違うのか?とか、
しょぼいヤシオリ作戦ありえなさすぎるとか、
石原さとみがうざいとか石原さとみがうざいとか石原さとみがうざいとか。

でも正真正銘の怪獣映画ですよ?楽しけれりゃいいんですよこんなもん。
そう思えばあのウザい女ボスだってむしろ笑いどころですよ。わざわざツッコミどころ満載にしてくれてるファンサービスの一部ですよ。
蒲田くんのキモかわいさだって絶妙ですよ。
わざわざ日本が誇る伝統芸能のほんまもんに中の人やらせる酔狂だって、頼む方も頼む方なら受ける方も受ける方ですよ。たまらないじゃないですか。

日本でなくちゃ絶対作れないこんな珍作を日本のエンタメ界で実力も実績もある良い大人の皆さんがみんなしてウヒャウヒャ興奮しながら作りあげたと思うと、それだけで私は感涙ですよ。これぞ世界に類をみない日本のオタク文化の結晶ですよ。
美しくも正しくもなくバカバカしいだけでも、誰に嗤われようとドン引きされようと、これが好きだと笑って言える社会であってほしい。
だからいいんですこれはこれで。
私は満足です。

ちなみに個人的に一番好きなカットは、巨災対にも避難指示が出てバタバタと荷物をかき集める人々に混じって、ノートPCだけ小脇に携えてスマートに立ち去るクールな尾頭さんがチラっと映るところ。
何度観ても痺れるわぁ。