故ラチェットスタンク

シン・ゴジラの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.6
良いとこアリ悪いとこアリ

公開当時少ない小遣いはたいて2回観に行ったので思い入れは深い。
にしても総括して言えるのはこれ「エヴァじゃね?」っていうことかなーと

庵野節がスタイリッシュに面白く機能してるところとダサく無意味に存在してるとこがある。
撮影の仕方は場面に必要な情報と綺麗に重なってるとこと重なってないとこがある。

会議の準備シーンや避難シーンなどの日常的な細かいところを映す描写は良い。しかし同時にキャラがエリートばかりなのであまり普遍的な雰囲気が出てこない。
国が守っている"僕ら"の視点があまり取り入れられていないのは災害映画としてはどうなんだろうなーと

キャラはエキセントリックな人物が多い。
アニメっぽい演技をする人とかナードな雰囲気を出す人が結構いて、彼らのやりとりの内容とかはすごく好きなんだけど映画のリアリティラインを上げたいのか下げたいのかが中途半端になってる印象を受けます。

ゴジラは驚異的な雰囲気が出ていますし、プロレスラーやヒーローとして置くことなく、徹底して災害として描いているのが素晴らしい。
恐怖感と同時にどこか悲しげな様子を称えているのも印象的です。
フィギュア感が出てしまっているのは偽物っぽさを際立たせてしまっている気はする。CGが粗く見えちゃう部分もあります。

音楽も基本的に格好良い。ヤシマ作戦流すのはどうなんだろうっては思うけど、でも最高にイカす音楽であることは変わりないです。

庵野監督のスタイルは良く出つつ災害映画として、ゴジラ映画としての魅力も十二分にとらえられていて好きな映画です。