mrかっちゃん

シン・ゴジラのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.6
「新世紀ヱヴァンゲリオン」の産みの親庵野秀明が総監督。
平成ガメラシリーズの特撮監督を務めた樋口真嗣が特撮監督。
特技総括を尾上克郎。
邦画では異例の3人の監督で手がけた12年ぶりの日本ゴジラ。
ゴジラ映画自体は掻い摘んで観ている感じですが、素晴らしい傑作でした。

特撮を愛する庵野秀明と平成ガメラシリーズで素晴らしい功績を残したオタク2人が日本が誇る怪獣ゴジラを手がけたことにより、ゴジラという生物としての説得力。
そして、今回の映画は現代の日本にゴジラという巨大不明生物が初めて現れたという設定になっている。
そのゴジラに対して、政府がどう対処するのか
どうやってゴジラに対抗するのか
に主軸が置かれています。

日本政府がゴジラへの対応の仕方や会議の感じが何処となく政治家へのイメージと似ていてリアリティがありながらもコメディ調で笑える。
印象的な会議シーン、ゴジラが上陸し街を壊滅して行く様は3.11後の日本だからこそ描けた表現。
3.11の時僕は中学の卒業式で帰宅しテレビを見ると町を大量の泥水の津波が呑み込んでいく様子がただ映し出されていた。

まさにあの時みたあの映像の再現がこの映画と言っても過言では無い。
悲鳴を上げ逃げ惑う人々、生活を根こそぎ奪われ不安と絶望に打ちひしがれる避難生活。
政府の対応の遅れ、予期せぬ二次災害。
これら全てが、ゴジラという作品に圧倒的なリアリティと2度と体験したくないあの時のトラウマが思い起こされた
1954年版の初代ゴジラの如く戦後から復興した日本をゴジラが再び蹂躙するという時代背景的にもこの映画は踏襲しています。
ゴジラという作品の根源的なテーマからブレていないところに愛を感じた。

ハリウッド版のゴジラは言いたい事が多々ありますが、面白かっただけに12年ぶりの国産ゴジラ映画がどうなるのか心配でしたが、予想を上回る傑作だった。

日本の特撮技術と進化したCG、VFX。
邦画の底力と見せつけられた歴史的な作品だった。