gol

シン・ゴジラのgolのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.8
最初にゴジラの映画を観たのはいつだったか、、、

多分平成ゴジラ一作目だったと思うんですが、
確かVHSが家にあって、背表紙に「ゴジラ」と書かれてたと記憶しています。

スーパーXの戦い方が
子供心に凄くカッコ良く思えたのと、
同時にゴジラって怖い!という印象を
強く残す作品となりました。
それまでアニメや戦隊物、
ライダーとかしか観た事なかった自分にとって、
実写映画の面白さに目覚めた瞬間でしたね。

そこから親戚の家で初代ゴジラを観て、
何だこれ?僕の知ってるゴジラと違う、、、
つか白黒ってどういう事?
あれ?ゴジラ溶けた、、、
と呆気に取られ、

その後は観れるだけ作品を観ていった感じです。
アンギラスやガイガンとか、相手役の怪獣も好きだったなぁ、、、

「ゴジラの息子」では子育てに翻弄し、ギャグ要素満載だったし、どんどんゴジラに感情移入していき、ゴジラにヒーロー像を重ねていました。

だからこそ初代ゴジラや平成ゴジラ一作目の
ヒールっぷりが納得出来なくて、
良い奴ではないけれど、
完全に悪人じゃないよね?そうだよね?
みたいに思ってたんですよ、子供ですね。

だからこそ平成ゴジラシリーズの
ビオランテ、スペースゴジラ、デストロイアとの戦いにはしっかりゴジラに感情移入して観てましたし、楽しんでたと思います。

ただミレニアムシリーズになると、
ゴジラを観る事自体、
子供っぽくて恥ずかしいって感じになり、
(でもガメラは観ていたような、、、w)
次第にフェードアウトしていったのでした。

前置きが長くなりましたが、
さて今作の「シン・ゴジラ」
映画館スルーしたのは、正直怖かったんです。
フェードアウトしたとは言え、
自分の中のゴジラ観は良い印象でしたから、
それを壊したくない!
その気持ちが強かったんです。

でも欲には勝てず観た訳ですが、
結論としては本当に観て良かった!

子供の頃に好きだったゴジラとは
全然違いますが、
ゴジラに日本が襲われたらどうなるか??
それを本当に誠実に描いていると思いました。
本当に観ていて辛かった。
他の作品でも描かれていたんでしょうが、
子供心にシャットアウトしたのか、
それともゴジラに夢中だったのか、、、
この感覚はゴジラでは初めてでしたし、
日本でもちゃんとした災害映画、
出来るじゃんか!と感服しました。

そしてゴジラという、
未知の行動原理から引き起こされる、
圧倒的なまでの無慈悲な
人類が築き上げてきた文化や尊厳への攻撃と、
それに対する人類の足掻き。

それは自体が日本人の誇りである、
スクラップアンドビルド、
そのメタファーだったのだと、
大人になった今だから気付けた、
これに非常に感動しました!

観て良かったです!
gol

gol