ノッチ

シン・ゴジラのノッチのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.5
東京湾アクアトンネルで崩落事故が発生。

首相官邸では緊急会議が開かれる。

参加者の多くが地震や海底火山が原因だとする中、内閣官房副長官の矢口は巨大生物の可能性を示唆する。

やがて海から巨大な生物が出現し…… 

12年ぶり29作目の日本版『ゴジラ』映画。 

「現代の日本に、巨大生物が現れたらどうなるか?」のシミュレーション・ムービー。 

クレジットされるキャストが豪華にも329人、総監督は『新世紀エヴァンゲリオン』の庵野秀明。

監督・樋口真嗣、特技監督・尾上克郎とスタッフ・キャストとも力が入っています。 

この映画は、これまで28作の設定をリセットし、初代『ゴジラ』同様、全く未知の脅威として出現します。 

作品自体は第1作目のゴジラをリスペクトしたものですが、それに対して現代の社会情勢を踏まえ、予想しえる出来事(特に政治情勢)をリアルに描いて言った作品になっています。 

通常のゴジラ映画では超兵器が登場してゴジラをやっつけるのでしょうが、この作品は現代社会を描いているので超兵器は登場しません。 

しかも、最初の異変までが極短い。

映画冒頭で、東京湾内から吹き上がる水蒸気を描いたら、後は一気にゴジラの出現した東京の描写に集中して行きます。 

破壊神としてのゴジラをクローズアップした感じ、すごく不気味で良かった。 

ゴジラと対決する政府の混乱と人間の叡智。

パニック映画のキモも抑えている。 

プロフェッショナルたちが知恵を絞ってキビキビと対処していく様子を見事に演出してて、庵野監督さすがという感じ。 

ただ、映画の80%が会議シーン。
 
それをリアルだと思えるか、それとも「もっとゴジラ出せ!」って思うかで賛否が分かれるところ。

キャストも豪華で、ほんのチョイ役にまで名のある俳優を使っています。

ただ、石原さとみが米国特使と言うのは…。

本人、頑張って英語もネイティブっぽく喋ってはいるのですが、ちょっと浮き気味。

ここは名の知られたアメリカ人女優を起用して欲しかったなぁ、と思う部分でした。 

また、観ていて飽きることはなかったが、途中から庵野総監督のリスペクトがゴジラから自衛隊に移っていったような…。

これは仕方ないんですかね。

この点を措けば結構面白いゴジラ映画です。 

また懸念されていたように、『エヴァンゲリオン』を連想させる部分があり、音楽の鷲巣詩郎が『エヴァ』そっくりの音楽を用意していたりもしますが、これは庵野秀明がオマージュを得意とする作家である事を考えれば仕方がない、と言うよりも芸として楽しまなければ損、とさえ言えるでしょう。

まぁややこしいこと考えないで、楽しく見るのが吉です。