レオピン

シン・ゴジラのレオピンのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
3.7
東日本大震災モチーフ。
岡本喜八、実相寺昭雄、市川崑の影響が至るところに見てとれる。

キャストがやたらに多いが、メイン以外で気になった役者たち

まず防災担当大臣の中村育二。想定外って何回言うんやw 総務大臣の浜田晃。時代劇顔、仮面ライダーストロンガーの人。保守党政調副会長の泉ちゃん役の松尾諭。元新聞記者という異色のキャリア、かわぐちかいじ的な豪快キャラだった。

巨大不明生物特設災害対策本部、通称「巨災対」のメンバーでは、防衛省の「厄介者」役 谷口翔太。迷彩服が印象的。国交省からは「鼻つまみ者」の小松利昌。警察庁危機管理担当要員の加藤厚成。「クソッ、遠いアジアの出来事だからって無茶苦茶言いやがる!」のセリフが好き。

原子力規制庁監視情報課長の黒田大輔。人が良さそうな顔が印象的。そして、経済産業省製造産業局長の吉田ウーロン太。この顔とキャラ、使い勝手よさそう。

自衛隊では陸上幕僚長の國本鐘建。オフィス北野所属、声がメチャメチャ渋くて忘れられない。東部方面総監役の小林隆。この人も人が良さそう。東部方面総監部幕僚長の橋本じゅん。この人もキャリアが面白い。

主人公が官僚、あるいは官僚機構を中心とした物語であるという事への批判があったが、

この官僚たち、特に巨災対の面々は本当の意味で公の精神が備わっていた。日本の場合、内集団と外集団と分けた場合にただの内集団、つまり所属集団への忠誠を公と誤解している場合がほとんどだが、この連中にはそういう所はない。ドロップアウト組ならではの本領発揮だった。

有事にあたって、会議や稟議などの平時の手続き主義を止められない、クソな縦割りシステムを打ち破れるのはこういった態度でしかありえない。

自衛隊の運用、組織の描写も一歩間違うと、ただのセクショナリズムだが、「今回はローテで行きます」とヒロイックでもなく、淡々と職務を実行していくという所が逆に魅力だと感じた。


⇒ほしい物リスト 「無人在来線爆弾」Tシャツ
レオピン

レオピン