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シン・ゴジラの10000lyfhのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
2.5
2010年代にアップデートされたゴジラ。もともと 1950年代に原水爆への恐怖から生まれたゴジラだが、本作での放射能被害と、政府の対応の描写には、3.11 のエコーも感じられる。今世紀のパニック映画の世界的な傾向だと思うが、(ゴジラそのもの以外は)徹底的にリアリティを追求、それがゴジラシリーズの中で本作を際立たせる特徴ではないか。何よりも自衛隊の戦力の描写が迫真(海外への自衛隊戦力アピールも兼ねている?)。そして内外の政治から、ニュース番組フォーマット、ネット文化まで、現実社会をリアルに反映(スタイル的によく似たものとして真っ先に思い浮かぶのは「第9地区」)。ただ、リアリティ追求の結果か、政治ドラマとしても怪獣映画としても中途半端な印象を受けた。また、大衆向け邦画としては珍しいくらいな細かいカット割りだが、単純に情報量が多かったのを 2時間に収めるための苦肉の策だと邪推。その結果としての速いテンポ感も、独特な作風の一要素になってはいるが、本作にとって効果的だったかは疑問。エンドロールで、オマージュ的な伊福部昭作曲「ゴジラ」第1作のテーマ曲の使用は素敵だった
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