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インスタント沼のEyesworthのレビュー・感想・評価

インスタント沼(2009年製作の映画)
4.8
【蛇口の水、スプーン一杯の幸せ】

三木聡監督×麻生久美子主演のハートウォーミング・コメディー作品

〈あらすじ〉
不運続きで人生下り坂のヒロインが、奇妙な骨董屋との出会いをきっかけに辿る予測不能の幸せ探しの旅路をコミカルに綴る。担当していた雑誌が廃刊になり、退職することになったOL、沈丁花ハナメ。ある時、ひょんなことから自分の全く知らない実の父親の存在を知ることに。真偽を確かめるため、その男のもとを訪ねたハナメだったが、そこにいたのは"電球"と名乗る怪しげな骨董屋の主人だった…。

〈所感〉
三木聡監督作品4作目。これまで見た作品全部どツボだったが、本作も例に漏れず序盤から不気味なくらいテンポ良く、小ネタを惜しまず、終始おバカを繰り広げるユルく贅沢な2時間で、めちゃくちゃ面白かった。沈丁花ハナメを演じた麻生久美子が上品かつおバカなコメディエンヌと化しており、三木ワールドとこんなにも相性抜群なのかと驚かされた。ふせえりが意外にもまともな役として登場していたため最初気付かなかった。加瀬亮演じるパンクなガスが見た目に似合わず優男でハナメとの掛け合いが最高。中盤から終盤は少し中弛み感ある。しかし、ラストの沼からアレが飛び出てくるシーンはめちゃくちゃ意味不明なのに拘わらず何故か感動するのが自分でも驚き。ああ、俺この映画楽しかったんだなぁと答え合わせになった。人生泣いている時間より笑っている時間の方が長い。それなら、辛い時でも蛇口の水を捻って生きているという実感、スリルの沼に浸ろうではないか。そういう素晴らしいメッセージが込められているような、もしくは特に込められていないような兎に角面白い作品であることは間違いない。
以下面白かったシーン、良かった台詞メモ↓

・スプーンいっぱいの幸せ
・シオシオミロ
・ドボルザークに似てる犯人
・庭にカッパがいる
・闇雲に生きない 地道小学校
・ダンゲりましたね
・好きになるきっかけは静電気
・猛臭ラーメン
・なんらもなー
・バンザーイじゃなくてざんねーん
・中華屋でヌンチャク
・メロンの紐みたいなやつ被ってる
・宮藤官九郎が警察
・ガリガリ君食べてる警部
・おでんの具を決める機械
・めっちゃ良い形、良い錆具合の折れ釘
・よろしくお願い島津藩
・3角コーンの傘
・絶対に音を立ててはいけない骨董品屋
・オシャレなものはムカつく
・蛇口を捻ればテンション上がる
・国旗掲揚の最後の調整がムカつく
・意地の重さでジリジリと沼に沈んでいる
・蛇口を捻りその嘘と見栄と意地を洗い流せ!
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