MasaichiYaguchi

信長協奏曲のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

信長協奏曲(2015年製作の映画)
3.5
石井あゆみさんの原作コミックを連続テレビドラマ化した「信長協奏曲」の終幕がこの映画で描かれる。
織田信長の最期というと「本能寺の変」となる訳だが、サブローは死んでしまうのか、明智光秀や腹に一物ある羽柴秀吉は、最愛の妻・帰蝶や盟友・池田恒興はどうなってしまうのか?
果たしてサブローは歴史に抗って信長の運命を変えることが出来るのかが、本作の最大の焦点となる。
テレビドラマ版のファンや原作ファン、歴女や歴史通の人、そして時代劇ファンもどのような大団円を迎えるのか気になるところだと思う。
テレビの時代劇がシニア世代を中心に限られた人々にしか支持されず、民放で年末年始のスペシャル以外にレギュラー放映されなくなって久しい。
そういう風潮の中、この「信長協奏曲」は“月9”というテレビドラマのゴールデンタイムで放映され、今まで時代劇に関心の無かった若い世代までも取り込んでいたと思う。
事実、私が鑑賞した試写会にも10代や20代の若い女性が多く参加していた。
この映画はテレビドラマ版の集大成としてNHKの大河ドラマに負けないクオリティとスケールで信長の最後の日々を、青春の葛藤や希望を滲ませながら描いている。
時代劇ファンの一人として、今後このような若い世代にも支持されるような新しい切り口、若々しい発想の時代劇の登場に期待したい。