けーはち

杉原千畝のけーはちのレビュー・感想・評価

杉原千畝(2015年製作の映画)
2.4
ユダヤ人を助けるべく独断で命のヴィザの発給を行った杉原千畝の伝記映画。

★最大のヤマ場、ヴィザ発給シーンは、領事館などで文字を書いてるだけ。また、太平洋戦争を取り扱う邦画ドラマの常として、「戦争の悲惨さ」みたいなものをクドクド描くことを要求されているらしく(戦後平和教育の賜物だね!)、お通夜ムードでダラダラとやられるので約140分は長く感じる。

★件のヴィザ発給シーン以前は意外と面白いんだ。杉原の経歴は官吏としては異彩を放っていて、早稲田に入ったが学費が払えなくて官費で行ける満州国のハルピン大学に行き、満州国の外交部へ所属。彼の職務はソ連の動向を探るため白系ロシア人(反共産革命分子)と組んでの裏表両面の活動。本作序盤、列車の中で007を思わせるハデな格闘シーンを演じたり、現地協力者もろともロシアの工作員を殺害した関東軍への反感から職を辞し本国に帰るなどの、洋画サスペンス・アクションを思わせるような展開を見せてくれる。実は、関東軍に正式に間諜(スパイ)になれと言われていて、これを拒絶したり、白系ロシアのファシスト組織が関東軍と繋がっていて、現地で結婚した妻がソ連のスパイだと風説を流したりとか、まさに007めいた情報戦は彼の背後にうごめいていて、この映画本編よりも数段エキサイティングなんだよな。ヴィザ発給は映画のオチとして必要だとして、もっと彼の満州国時代を描く方が面白いと思うよ……。

★どうでもいいけど、「代表的日本女性」みたいな配役で出てきがちな小雪は、小雪ってレベルじゃなくデカい。大雪だ。唐沢寿明が特に長身でないのもあるんだが、小雪はデカすぎて何か抱き合っている画面が珍妙になるんだよね。