MASAYA

ディオールと私のMASAYAのレビュー・感想・評価

ディオールと私(2014年製作の映画)
3.8
諸君 私はデニムが大好きだ。

もうこのくだりはいいですね(笑)
でもファッション好きといえどもデニム愛が半端じゃないんです。

デニム愛が半端じゃないとか言っておいて持ってるのは30本程度ですが、その中でも群を抜いて最高の品質を誇るのが「Dior homme」のスリムスキニー。言葉に表せないくらい好きです。

内容に触れる前に、ディオールの主任デザイナーの沿革をざっっくり説明します。

1946「クリスチャン・ディオール」設立

1957 ディオール死去。イヴ・サンローラン異例の若さで就任

~省略~

1996年 ジョン・ガリアーノ就任

2011年 人種差別発言問題で解雇

2012年 ラフ・シモンズ就任

ちなみにメンズラインである「ディオール・オム」の主任デザイナーは
2001年 エディ・スリマン就任

2007年 辞任

2007年 クリス・ヴァン・アッシュ就任

といった感じです。


本作はラフ・シモンズが就任してからのパリ・コレクションまでの8週間を描いたドキュメンタリー。

これぞオートクチュールの頂点といった印象。美しいものを見ると人間って幸せになりますね。

元々「ジル・サンダー」でクリエイティブ・デザイナーをしていたラフ・シモンズが「ディオール」のアーティスティック・ディレクターに就任というのはけっこう意外な人選だったみたいです。

そもそもプレタポルテ(既製服)が専門だったデザイナーがオートクチュール(仕立て服)でコレクションを成功させられるのかというのが大きな壁であり、それこそが本作のテーマだったような気がします。

長年メゾンで働くお針子の職人達と新参者のラフ・シモンズではやはり噛み合わないことが多く、なんならコレクション当日まで上手くいかない。でも、そうだとしてもコレクションに間に合わせ、仕上げてくる。熟練の女性が長年の知恵と経験で服を仕立てる姿にはプライドを感じた。これぞプロフェッショナル。

それこそ一面の壁が生け花で覆われたコレクションのシーンでは職人達の血と汗の混じった作品が美しすぎて涙が出そうなくらい感動した。

個人的には一見関係のなさそうな、お針子達それぞれの人間性にもスポットを当てながら、全体の人間関係を浮き彫りにしていたのが面白いなと思ったし、あとはコレクションまで時間がなくて純白のジャケットを市販の黒スプレーで染色していたのが印象的。絵画のデザインをそっくりそのまま服として仕立ててたのも圧巻。

そんなラフ・シモンズですが、今年10月自身のブランドに集中したいとのことから退任を表明しました。本作が話題を呼んだばかりなので非常に悲しいですが、ディオールのCEOが「彼の卓越した貢献ぶりに温かく感謝の意を示したい」とコメントしてるので、彼の決断が尊重されたんでしょう。後任には「ランバン」のアーティスティック・ディレクターを退くことになったアルベール・エルバスとの噂もあるみたいですね。

ともかく今後どうなろうとも「Dior homme」のデニムは永遠のナンバーワンです。