Yui

ディオールと私のYuiのレビュー・感想・評価

ディオールと私(2014年製作の映画)
4.4
美しいオートクチュールとそこ注ぎ込まれるデザイナーとお針子の熱い想いに、涙せずには見られない魂のドキュメンタリー。

2012年、ディオールの新デザイナーに就任したラフ・シモンズの緊張と歓喜。メゾンディオールのアトリエで働くお針子達。パリコレまでの8週間の舞台裏。

お針子さんたちの忙しさには観ているこちらも目が回りそうなほどだった。責任や重圧でストレスも凄そうだったけど、それ以上の達成感が想像出来ない程にあるんだと思う。
一人一人も、とても個性的でエネルギッシュ、仕事にプライドと信念を持っているのが分かるし、映像から愛が伝わってくるから、職人としての魂をダイレクトに感じて凄くドキドキして、胸がいっぱいになった。

「ディオールのデザイナーがどれだけ変わっても、アトリエだけは変わらないのがディオールの宝。ルーツが残っている。44年も働いているお針子がいるから、ベテランと言葉を交わす事で豊かな伝統を維持出来る。」
という言葉と、それを話す誇らしい表情が印象に残ってる。

デザイナーのラフも、初めてのクチュールに戸惑いながらもプロフェッショナルさが凄くカッコよかった。彼らしさとディオールらしさ、ひとつひとつのドレスが本当に美しくて、曲線ひとつひとつに惚れ惚れした。人間味も見られて不思議と身近に感じられたのも良かった。

それと、膨大な量のお花が圧巻。飾る前のお花もため息が出ちゃうほど美しいのに、一面に飾られているお花は涙が出るほど美しくて、実際見たら夢みたいなんだろうなって。お花好きにはこの映像だけでもたまらないわくわくでした。


デザイナーさんやお針子さん、モデルさん、色んな人たちのわき上がる想いにこんなに感極まったドキュメンタリーは初めて。それだけクチュールにかける想いにフューチャーして作られてるドキュメンタリー。こうやって、伝統が守られて、且つ新しい物が生まれて行くんだなと実感して感動した。

想いが画面を超えてきて、ラストは泣けます。

90分のドキュメンタリーなのに、巻き戻したり止めたりして2時間以上観てた。絶対また観ちゃう。いいドキュメンタリーだったー!
こんなドレス1度でいいから着てみたい。
Yui

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