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母と暮せばのnoncoのレビュー・感想・評価

母と暮せば(2015年製作の映画)
4.2
母と暮らせば。

結婚したばかりの私は、「母」って、「娘」って何なんだろうって、2人の母をもち、2人の娘になってから、居場所のあやふやさを感じることがたまにあるけど、
この作品でもまた考えさせられた。

戦争を体験したことがなければ、身の回りの大事な家族を若くして亡くしたこともなく、子どももいない。
そんな私がわかったかのように涙を流すなんて、失礼なんじゃないかと、それこそ失礼な考えがよぎりながらも、握りこぶしを解放することも、涙を堪えることもできなかった。

吉永小百合さんと、二宮和也さんが本当の親子のようで、母を想う息子も、息子を想う母も、苦しいほどに愛おしく、

でも、奥歯を噛み締めてしまいそうなくらい、悔しく、切なく、

私の頭にある「希望」や「幸せ」という言葉について、ぎっしりと赤ペンで修正されたけど、その文字が小さくて読めなくて困惑してるみたいな感情になった。


カメラの動きや、映像の作り方に新しさは感じなかったけど、
だからこそ、どの世代の方たちも壁を作らずにのめり込めるんじゃないかな、と思った。

戦争を体験した方たちや、親、同世代、子供たち、
みんなの感想を聞いてみたいと思ったし、話を聞きたいと思った。


見終わって、ちょっと時間はたつのに、今でも涙がワッと溢れてきそうだけど、この涙はなんなんだろう。

同情とも感動とも違う、指に針を刺したときに、ジワリと出てくる血みたいな、そんな感覚。