茶一郎

母と暮せばの茶一郎のレビュー・感想・評価

母と暮せば(2015年製作の映画)
3.6
『吉永小百合ゴン 対 メカ二宮和也』

 吉永小百合と二宮和也の演技対決。まさに二大怪獣、怪獣映画の様相。山田洋次監督の反戦テーマと重なり、演技に心揺さぶられました。

 正確には吉永小百合VS二宮和也が6回、吉永小百合VS黒木華が7回。二人の演技の対決は、舐め回すようなカメラの動きと役者の動き、ワンショット長回しの長台詞対決。これはもはやアンサンブルというよりもバトルでしょう。
演技(もう演技と言いきってしまう)の中に落語のように上下、エピソードのカットが入り込み、登場人物の奥行きが広がり、長台詞が続きます。
明らかに台詞を噛んだシーンがそのまま残っているのも印象的です。

唯一、いびつだと思ったのは黒木華の教え子の戦死確認エピソード。この後に及んで『戦争反対』『原爆怖い』などのメッセージはそれ自体を矮小化させるような危険があると考えていますが、エンディングまでその反戦意識が一貫しているのならテーマへの正当なアプローチだったのだと思います。

 年末、私は『母と暮らせば』を母と父と見に行きましたが、劇中母はずっと泣いていたそうです。確かにその重いメッセージはあるものの良い一家団らん映画になるかと。

 ちなみにソフト化されたBlu-rayの特典映像に、『実は最初から吉永小百合も死んでいた』というどんでん返しエンディングが付くそうです(大嘘)(嘘八百)(シャマラン)