かとう

母と暮せばのかとうのレビュー・感想・評価

母と暮せば(2015年製作の映画)
3.2
長崎に原爆が落ちてから3年、1人残された母を幽霊の息子が訪ねてくる。
山田洋次監督作品。原爆映画ではあるが、分かりやすく反戦を掲げるわけではなく、残されたものがどう生きていくか、その生活に焦点が当てられているように感じた。

死と生の隠喩、シーン毎の陰影の付け方などコントラストがハッキリとしていたのが印象的だった。

役者の演技は少し説明的には感じたものの、丁寧。
吉永小百合は流石であり、ぼくはこんなに美しい「こらーっ!」を聞いたことがない。

諦念と宗教が救いだと描かれていたように思う。少なくとも吉永小百合が仏教徒であれば、本作のエンディングには至らなかった筈だ。
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