Dumbo

母と暮せばのDumboのレビュー・感想・評価

母と暮せば(2015年製作の映画)
3.6
山田洋次監督作品、
または同じような雰囲気の邦画には
苦手意識がありました。

内容知らずに録画していたのを、
たまたま昨日(8月9日)に観ました。
タイトルから、
寅さん系の、
母と息子のほのぼのとした人間ドラマを
勝手に想像してました。

見始めてすぐに、
長崎の原爆の話だとわかり、
偶然にも昨日は長崎の原爆の日だったので、
これは観なさい、って
言われているような気がしました。

TLにもこの時期、
いろんな戦争に関する映画のレビューを
皆様がアップされていて、
毎年映画を通じてたくさんの方々が
戦争に思いを馳せることは、
とてもいい事だなぁと思いました。


戦争中であっても、
人々には日常の生活と親子の会話があった。
それが原爆で一瞬のうちに、消えて
“無くなって”しまう。
“亡くなる”ではなくて
まさに“消えて無くなる”
感覚なんでしょう…
あまりにも一瞬で…
本人さえも自分が亡くなったことを理解出来ないまま…
インクの瓶が溶けるシーンがそれを物語っていました。

二宮くん、ほんとにいい俳優さんですね。
映画に出てる時は
ジャニーズであることを忘れてしまいます。
吉永小百合さんと本当の親子のように、
いい息子を演じていました。
ただ…
二宮くんの長崎弁はどうだったんだろう?
長崎弁に詳しくない私が聞いても、
時々標準語が混ざっていたような…
先日コンフィデンスマンJPを観に行った時の
予告で、
二宮くんのおそろしく下手な関西弁を聞いてしまったので、
どうしてもそこが気になってしまいました💦

そんな雑念もありながらも、
同じ、息子を持つ母親の立場としては、
感情移入はすごくて…
泣きましたよ…
それはどうしても。
たとえ亡霊であっても、
息子に会いたい…
もしかしたら、
母の前に現れた息子の亡霊は
そんな母の気持ちが作り出したものかもしれないですね。


この時代、息子を亡くした母親や
恋人を亡くした女性、
この映画の吉永小百合さんや黒木華さんのような
立場の人たちはいっぱいいたんだろうな…

「あの子だけ幸せになって許せない!」
お母さんが、一度だけ本音を言ったのが、
よけいに悲しく辛かった。
言ってはいけない事だとわかっているのに
それが当たり前で正直な気持ち。
息子を愛するがゆえの母の気持ち。


最後が急にファンタジーみたいで、
少し苦手だったけれど、
母親としては
あんな風に人生を終えられたら
幸せなのかなと思った。
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