あしからず

肉体の門のあしからずのレビュー・感想・評価

肉体の門(1988年製作の映画)
5.0
開始3分で大好きになった。
これが金ローで放送されていた時代にタイムスリップしたい!

真っ赤なルージュに原色ファッションの美人たちが廃墟で米兵にジープで追われる世界観はまるでディストピアSF映画のようで、あまりにも今の日本とかけ離れていて衝撃だった。この時の音楽も古典SFっぽくて異次元感がすごい。

米軍が落とした巨大爆弾を奉り1トン神社と呼んだりその爆弾にイルミネーションなんか飾っちゃったり、血桜お銀やコルトの新などみんなよく分からない2つ名があったり、内容はなんでもありでめちゃくちゃなのにラストまで魚雷みたいに一直線。
かたせ梨乃や松居一代など美しき女優たちの文字通り身体をはった演技が最大の見所。
とくに名取裕子演じるらくちょうのお澄(らくちょう=有楽町と分かるのに時間がかかった)の生き様は花火のようで、まるでアメリカンニューシネマか極妻か。
このお澄とかたせ梨乃演じるせんの関係性の変化が美しく、舞踏会で2人で踊るシーンは暗殺の森を彷彿させた。
「何度だってやり直せる!何度だって!」

予想通りのエンドな筈なのに、激しく動揺するこの気持ちはなんだろう
あしからず

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