赤ちゃんパンダ

ホステス情報 潮ふき三姉妹の赤ちゃんパンダのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

日活ロマンポルノで潮ふきシーンがある映画を見たのははじめてだし、日活ロマンポルノで明確に女が口で男性器をどうこうしたり、男が口で女性器をどうこうする映画を見たのもはじめてだ。なんなら潮ふきどころか明確に女が絶頂に達する描写があるのも、私が見たことある作品では、私の記憶の限りだと神代辰巳の「濡れた欲情 特出し21人」だけである。もっともあの映画は行為中に男が「おれと一緒に○○へ行かないか? なぁ、一緒に行こうや…」という出稼ぎの誘いをし、最初は「いややわァ」とか「あんたシてる最中にそんなべらべら喋んといてぇなァ 集中できへんがな、ちょっと黙っときィ」などと気だるげに断る芹明香に「そんなこと言わんといて、一緒に行こうや」とめげずに誘う男に、芹明香の「や……あっ……………イく〜!」という言葉が重なって次のカットでは汽車の中、みたいなコメディシーンであって、女をイかせることを男が重要視している類の描写ではない。
性風俗の歴史はいつかしっかり勉強したいなあとは思っているが、少なくともロマンポルノの性交シーンは強姦やその類の性交でなくても基本的にいきなり挿入くらいのもので、それで女の方は満更でもなく気持ちよさそうにヨガってたりする超男性迎合的なものである。
つまり男は女性の快楽のために努力もせず己の快楽のためのみに行為し、女はそれのみによって男が求めるような反応をする、というわけである。
なのでこの時代にペッティングの描写(特に男性から女性への)があるというのに驚いたし、性的娯楽メディア(いわゆるオカズとなるもの)と実際の恋人や夫婦の間で行われていた性行為には相違があることも承知の上で、当時の人々のとってこの映画の性描写というのはどのくらい特殊で新しいものであったのか(あるいはそうでなかったのか)というのは結構気になる。
あとお触りバーって本当にあったのか、とか。今でいうセクキャバにあたるのかな。
あと単純に潮ふき描写が大変ウケる。
最後の由利の握りしめたメモに沁みつつ、所詮曽根中生だって男だしこの時代の人だしこれでおまんま喰ってるのだから真意なんてわらからないのだけれど、そんなのとは関係なくやっぱり沁みる。
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