イチロヲ

教師女鹿のイチロヲのレビュー・感想・評価

教師女鹿(1978年製作の映画)
3.5
名門高校に赴任してきた女教師(栄ひとみ)が、学校の隠蔽体質に直面しながら、犯罪者である理事長(高木均)を追い詰めていく。型破りな女教師によるリベンジ劇を描いている、日活ロマンポルノ。沼礼一による同名劇画の映画化。

ヒョウ柄の服装で教鞭を執る、ロックンロールな女教師の諜報活動が描かれる。ベリーショートの髪型がよく似合っており、中性的なエロスを振りまいてくれるが、残念ながら中盤から髪型を変えてサザエさんのようになってしまう。

主人公は、学内における下半身事情をすべて見抜いており、彼らの一寸の迷いを鋭く突いていく存在になる。その凛とした佇まいが、映画的な面白さを最大限にまで牽引している。伊佐山ひろ子は役作りが完璧過ぎるため、どこに出ているのか分からないほど。

しかし後半部では、理事長の別荘が舞台となり、理事長と校長(大塚国夫)を相手取ったセリフ劇へと作風が一転。そのため、前半のボルテージが下降気味になる。前半部の牽引力が強いだけに、後半部の失速感もまた強くなっているところが心惜しい。
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