このレビューはネタバレを含みます
ベルリンマラソンに挑戦しようとする、70歳の老人の話。
老人ホームでの生活に嫌気が差し、マラソンの練習を始める主人公。
そんな彼の姿を見て、他の入居者にも変化が…という所までは良かったと思うんですよ。
ところが中盤から、主人公夫妻が老人ホームを抜け出して、娘の家で生活する様になるんですよね。
娘との親子関係を描きたかったのかもしれませんが、この寄り道によって、この映画の目的…主人公が何の為に走り、何を変えたいのか?という部分が不明瞭になってしまった気がします。
何だかんだでベルリンマラソンに挑戦するわけですが、主人公に敵対してた人間が急に味方になるのは強引な気がしたし、喧嘩してたはずの娘が普通に主人公を応援しているのも解せないものがありました。
あくまで主人公は老人ホーム内に留め、他の入居者や職員の物語を掘り下げて、彼らの成長や変化をじっくりと描いた方が良かったかもしれません。
老人がマラソンに挑戦する…という話自体は興味深かったものの、最後まで主人公に感情移入するのが難しく、人間ドラマとしてもイマイチ何を言いたいのか、よく分からない作品でした。