ちゃんま

陽だまりハウスでマラソンをのちゃんまのレビュー・感想・評価

4.0
途中から涙腺が崩壊した。周りから過去の栄光と言われても「今」を「自分」として生きているおじいちゃんの物語。

戦後行われたオリンピックでドイツ代表として出場し優勝したパウルは、70歳を超え、妻マーゴの体調が悪いこともあり老人ホームに入居する。

そこでは季節毎のパーティに向け、飾り具を作り歌い、食事をするという日々が続き、パウルはすぐに嫌気がさし、数十年ぶりにマラソンを始める。

マラソン大会に出場すると意気込むが、最愛の妻マーゴが倒れたりうつ病と診断されたりアクシデントに襲われる。妻との約束を果たし、マラソンでゴールすることができるのかー。

歳だから何も自分でできない、は思い込みだ。「老人」だから、「大人」だから、「子ども」だからなんてものは抽象的な表現で中身がないことに改めて気付かされた。

「自分」が誰なのかは年に左右されるものじゃない。自分が今どう考えていて、何をしたいか、するかであり、その人の「過去」に縛られているのは周囲の方だった。

死を待つだけの老人ホームで「楽しく生きる」意味を知り、表情も気持ちも変わっていく様もすごく嬉しかった。

とても前を向ける映画でした。自分を決めるのは自分。過去の自分は今の自分の糧であり、過去の栄光にすがっているわけではない。あー楽しいことしよう!背中を押してもらえた気がする。
ちゃんま

ちゃんま