せびたん

ロッジ LODGEのせびたんのレビュー・感想・評価

ロッジ LODGE(2014年製作の映画)
3.8
おもしろかったです。
誰もが自分なりの答えを見つけることができるという自由度の高さです。どこかにスタンド使いがいそうな世界観でした笑。あの施設?ラストストップ?じたいがスタンドなんじゃないか?なんてこともちょっと思いました。

あと、登場人物の社会的な属性や互いの人間関係からすでに推測していかなきゃならないっていうめんどくささにホレました。
そして、誰かから見られていないと消えるという比喩というにはあまりにも直接的すぎる条件が怖かったです。

興味を引かれたのはノアやシャーロットみたく意識の状態が普通じゃなくなった人、出来事の「かやの外」になった人は消えないことでした。「かやの外」状態が解消したら法則通りすぐ消えちゃいましたけど。ここから想像していくと面白そうな仮説ができそうですね。

私は実はまばたきするな!というフレーズが作中で出てきてから泉鏡花の草迷宮という小説の世界観が頭から離れなくなってしまい、その世界観でしか解釈できなくなっちゃいましたが。草迷宮は人がまばたきする一瞬の時間の中に魔物の世界があるという素敵な発想の物語です。

ではここで少しだけ私なりの解釈を…
聞かれてないけど書いちゃうっていう私は自分が好きでたまらない人間です。

この世界はひとつのようでひとつではなく人の世界と魔物の世界に分かれているのです。この二つの世界は普段は交わることなく成立しているけれどたまに交錯するようで、そのせいで作品内では気温が激しく上下したのです。
そして魔物は、人間の世界において誰からも視線を受けていない人間には干渉することができ、魔物が干渉するとき人間の世界の時間は止まりますっ!(笑)
なので実は一瞬で消えたわけじゃないんじゃないかと。血痕とか掃除するのはけっこう大変だったんじゃないかと。私はにらんでいるのです(笑)

最後の場面をどう捉えるかも大きいですよね。
私はあれは映画の作法上の問題?短縮法?同じことの繰り返しだし尺の問題もあるからああやって一気に消えた表現にしたけれどホントはひとりずつ消えてった?ということなのかなと思いましたが、ホントに一気に消えたと考えると、
クレアお前…
て感じになりますね(´∀`)
いやホントに楽しい映画でした!私は3回みちゃったので知ってますが、脚本もかなりいい感じです!(でもちょっと登場人物多いな。10人じゃなきゃダメな特別な理由があったのかな?)
せびたん

せびたん