まつき

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のまつきのレビュー・感想・評価

3.6
とにかくラスト40分!愚かな人間達に虐げられた雑種犬たちが反撃に転じる場面から、とにかく圧倒される!250匹の犬たちが爆走する迫力!急にホラー映画のような演出が増え、煽られる恐怖感!そしてその逆襲を一人の少女が止められるのかという緊張感!これだけで観る価値のある映画。

いやいや、これだけじゃなかった。少女リリを演じた女の子は映画デビュー作とは思えない演技力。そしてそれに負けないほど、いや、インパクトでは遥かに上回った犬たち。まるで人間が演技するがごとく、怒りや戸惑い、甘えなどを自由自在に表現していた。

これだけの魅力がありながら、全体のスコアが低めなのは、そこに至るまでの流れに原因がありそうな気がする。

少女とその父であったり、少女と男の子であったり、会話や人物描写が雑に感じた。
また、雑種犬たちが反撃に転じるまでの過程についても、主役犬のハーゲン以外はこれといって描かれない。あとはほとんど野良。

ただ、監督のインタビューにある「道義的なメッセージもあるが、ワクワクしながら見てほしい」という言葉からも、「愚かな人間と、可哀想な雑種犬」という構図を感覚的に捉え、最後の復讐劇を楽しむ、くらいの心構えが一番しっくりきそう。

最後のカットからのエンドロールの余韻、最高でした。