かや

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のかやのレビュー・感想・評価

3.5
今年公開映画129本目。

PLANET OF DOGS.
ガーディアン紙が犬版「猿の惑星」と評したが、これ完璧だと思います。

まずバカなこと言いますが、犬がたくさん出てきました笑
この犬たちは実際に保護施設にいたとのことで、トレーナーの方が訓練し撮影に臨んだらしい。
これがとにかく凄い!

犬が演技してる。
感情表現できてる風にしか見えない。
なによりこれにびっくりしちゃって、ストーリー忘れちゃうかと…笑(本末転倒)
顔だけで出てるような役者(誰とは言わない)より圧倒的に上手い。

クライマックスはもはやちょっとしたファンタジーとホラーのようになっていて、犬のショッキングなシーンも…
これが嫌な人はやめた方がよいでしょう。

そして個人的には、犬が関わってこない人間のドラマ部分は正直退屈でした。
パーティーシーンが結構長くて、目がチカチカしてちょっと気持ち悪くなったのもがっかり。


捨て犬という社会問題に言及している。
果たして人間は神なのか?という問いかけがなされてるよう感じた。
人間のほうが偉いから、犬はペットだから、人間の好きに扱っていいものなのか?
共に生きる物としてどちらが上とか、下とか、そういう概念は存在してはいけない。犬に限らず。
どんな動物だって人間を殺そうと思えば殺せる手段は持っているはず。
ただそれを使わないだけではないのか。

これは人間と動物との関係だけでなく、人間と人間でも同じであり、人間と犬を描くことでそれも暗示していると思う。
人種や宗教、思想だけで争う人間たちに優劣はないということを、気付くことができない人間への警鐘である。


ただ犬が凶暴になる話ではなく、「共生」がテーマとなっている社会派映画だ。
カンヌ映画祭のある視点部門受賞が非常に納得のいく、挑戦的な作品。
同時にパルムドッグ賞も受賞しており、本作の犬の演技は衝撃的で必見。
人間の身勝手さが良く分かる作品でした。

最後まで世話ができないのであれば、最初から飼わなければいいのに。
無責任極まりない行為だと思う。