柏エシディシ

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲の柏エシディシのレビュー・感想・評価

3.0
人間の傲慢さ故に虐げられた動物達や大自然が、荒れ狂い、人間達に教訓と罰を与える。
という寓話は映画に限らず、使い古されたネタですが、
今作には、そんな「作りモノ」のお話に感じられないリアリティがあります。

それは何と言っても、出演しているワンコ達の「名演」の賜物でしょう。

主人公の雑種犬ハーケンをはじめ、ワンコ達の表情、立ち振舞いが、まさに観客に語り掛けてくるようです。

しかも、出演した200匹以上のワンコ達は元々保護施設に引き取られていた「素人」だというのだから、驚き。
トレーナーは勿論、監督や共演した「人間」の皆さんの努力と胆力も思います。

そこには、当然、犬達と人間との間にある信頼関係が無ければ、出来ない事であり、そして、それによって作り上げれたこの作品が結果として、説得力の強度が増すのは自明の理な訳です。

冒頭の、ひと気のない街路を、自転車で走る少女を追い掛ける犬の群れの大疾走、
そして、神々しいまでのラストシーンまで、驚く様な映像、演出の数々。

「白い神」というタイトルの持つ、鋭い批評性を含めて、本当に力強い一本。