こうよう

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲のこうようのレビュー・感想・評価

3.2
人間が上に立ち、犬を服従させる。いつの間にか私たちは犬を含めた全ての動物たちを下に見ていなかっただろうか? 人間にとって無価値なものは廃棄する傲慢さ。価値あるものとして、飼い慣らされてきた犬たちが、人間のその時の欲求によって、価値がないものになる悲しい現実。それを知らない、知ってても受け入れようしない人間の愚かさ。 ラストシーンで伝えたかったこと、それは犬と同じ目線で、同等な立場で思いやる気持ちを思いだして欲しかったということなのでしょうか?

自分にとってかなり衝撃的だった犬たちの狂気に満ちた大疾走と主人公の犬のハーゲンの表情豊かな演技?(特に怒りの演技)がこの作品においての見所でもあり、テーマ的なところを伝えるための強力な説得力になっていました。

しかし、この映画においての登場人物の行動動機や心情がいまいち掴めないところがいくつかありました。お父さんが急に優しくなったところや主人公とピアノ男子との関係性が何だったのか。そもそも主人公はハーゲンのことを本当に大事にしていたのか?(ハーゲンを探すだけの描写だけではなく、もう少し心情描写が欲しかった)と納得して見ることができませんでした。

それでも、とにかく映像に圧倒されることは間違いない、頭から離れないインパクトの強い映像は素晴らしいので、見応えは充分ありました。