リアルに描くことって、やはり大事ですよね?
って言う作品に感じました。
物語はすごくシンプル。
犬版ナウシカです。
王蟲を犬に置き換える。
ナウシカだけ王蟲の怒りを鎮められるの、なんでだろう=信頼って大切!って話。
本作!描こうと思えばアニメでもいいし、当時の技術でもCGでいけます。
けど、リアルにこだわった。
冒頭。
牛の解体シーンがあって、なかなかガッツリ見せてくれます。
我々が日常食べているもの、をリアルに始めに見せる。作品に込められた想いの意思表示だったと思います。
その根底があるので、数々のシーンが(少女と父親の生活、犬の調教など)生々しく描けていた気がします。
ただ、リアルが一番、と思考停止もしてない。
クライマックス!犬、走ります!めちゃくちゃ沢山走る最大の見所のシーン。
これこそ、賛否分かれると思います。
怒りの行軍なんですが、ワンちゃんたち。その感情、理解できるのでしょうか?
正直、動物に、そこまでは求められない。数十頭の犬全てを怒らせて走らせる、なんて無理です。
作り手もそこは承知してたのではないか、と思うわけです。
けど、じゃあCG使うしかないんですか?
そもそも表現するって生のものだったわけで…。
何でも最新の技術に頼るの?それ、大切なものを置き去りにしてない?
「リアル=現実、生身」
技術が日進月歩している今、一回立ち止まって、考えましょう、というメッセージがあったように思います。
必見、とまでいかないのですが、今の時代に、見ておく価値のある一本と思いました。