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皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇のsnatchのレビュー・感想・評価

3.8
これには四夜も掛かってしまったー🥶
最後の唄に馬鹿やろうだ!ナルココリード🎤🇲🇽ナルコとは麻薬のこと。
なぜ、私はこんな映画を観るのか。現実の知らない事を知りたいから。
ここ最近観たメキシコ映画の魔力に浮かれていたが🤩‼︎この作り物だと言ってくれと願う地獄絵ドキュメンタリー。
もうどうにも救いようがないと背を向け……独りぼっちの国に私もさせてしまう…
2013年の記録であるが、現在もこの国内麻薬戦争は続いている。

ナルココリードとはメキシコの民族音楽で、もともとは文盲の人々のために歴史や物語を語る唄演奏だったそうだ🌵サボテンブラザーズみたいに陽気なリズム🌵
しかし、現代のナルココリードが讃えるのは、麻薬カルテルのボスや犯罪者たち…
歌詞のほんの一部
勇気を持つ者が人を殺せる
乱暴ではない 勇気持つ俺たち
俺は力強く散った 素晴らしい旅立ち
記憶に刻まれる 俺が選んだ生き様
……
アホか⁉︎
この銃を持ち人を殺す側を歌うのがアメリカに住む若いメキシコ系のナルココリードの歌い手。彼はメキシコに住んだこともない!彼の歌に夢中になり、恐いものなしの権力の頂点に立つ麻薬組織に憧れるメキシコの若者たち…英雄気取りの犯罪者たち
アホ!アホアホだーーー‼︎

現状の語り手である警察官の彼の感情を閉じ込めたような生気のない声の正体は、死体を収容しに行くだけの毎日が産んだのだ…
捜査して裁判まで進むのはほんの数件。
犯人を探そうとすれば、自分の命 家族の命が危ない。
同僚も何人も殺されている。
こんな警察や汚職まみれで麻薬カルテルと癒着している政治家には頼れず、一般市民は巻き込まれるのを怯えて暮らすしかない。親は子どもにもこれが現実だと見せざるをえない。

どこまで地獄への階段を駆け下りていくのか
底無し 皆殺し

息子をバラバラにされた母親のあの叫びこそ、唄にするべきだ…


血と対比して、表情を失っている警察官やひんやりとした警察暑室内の色が印象的で記憶に残る映像だと思いました。
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