日向日向

ゾンビスクール!の日向日向のレビュー・感想・評価

ゾンビスクール!(2014年製作の映画)
4.0
教職志望は見ないほうがいいね(切実)

かなり前から気になってた作品。子どもがゾンビになって大人を貪り尽くすというまぁ、日本じゃ作れないよね、的な過激な作品。
本来ならば愛すべき子どもが酷い目に遭い、非難轟々なはずなのだが……むしろスッキリするお話なのだ。

何が面白いかって、キャラクターの個性が強すぎるところにある。
例えば、子どもでさえも解体したがるサイコな理科教師に、男に異様な嫌悪感を抱き、その原因は国が悪いというトンチキな理論を並べる女教師などをはじめとした教師陣だ。誰1人と平凡な教師がいない。同時に、子どももちろんキャラが立っている。例えば将来の夢は海兵隊で国に巣食う移民を皆殺しにしたいと考える子どもや、やたらませた化粧大好き女の子など、だ。
これでもかとまでにキャラがすごいのだ。
しかし、単純にキャラが強いわけではない。特筆すべきはヒロインなのだ。ヒロインは他のキャラに比べたらその個性を前面に押し出していない。だけど、いざ怒り、前に押し出した時は他のどのキャラよりも輝いていた。その切り替えが上手いなぁ、と感心させられたのだ。

また、ゾンビ映画のツボをとことん抑えているからこの映画は素晴らしい。
ハンドメイドの武器。キャラの個性を生かした軽快な会話とそこから得られる各々の成長。軽快さを失わずに、ことの原因を探求して解決するというスタンスも見ていて視聴者を飽きさせない。
これぞ隠れたゾンビ映画の名作といえよう。

あまりにも個性強すぎて、主人公が霞みがちというなんとも言えない難点があるものの、非常によくできた仕上がりで、予想外にも驚かさせられた。
よくよくみると、アメリカや日本が抱えている教育問題の闇のえげつないとこだけ集めて舞台を作っている。多少教育をかじった人ならば、そう言った観点をバカ真面目に茶化している今作はオススメだ。
日向日向

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