生きていればなんとかなる。
まさにそれを教えてくれた映画だった。
恋人を通り魔に殺され、お金もなく弁護士も頼りにならない極貧なアツシ。殺したいほど憎い犯人を殺すこともできず、かといって自分は死ぬこともできず、世間はオリンピックだなんだで盛り上がって、何で俺だけこんな思いをと神様を憎んで。
それでも生きていく。なんとかなる。
そんなことを彼から感じた。
ひどい扱いの夫と姑のもと暮らし、ひょんなことから仲良くなった男と不倫したが、薬漬けで裏切られた瞳子。
学生時代の親友と恋に落ち、誤解を招いたことで別れることになった、同性愛のエリート弁護士四ノ宮。
3人の恋人たちのそれぞれの姿。
自分の思うようになんていかないし、痛々しく、人間の心は本当に簡単で、とても脆い。現実から逃げたくなることだってある。
そんな世の中だけど我々は前を向いて、少しずつでいいから、歩いて行くしかないんだ。
よし。と思える日が来るといいな。