分かったようなことを書いちゃいそうだけど、たぶん僕は本当のところは分かっていないと思う。僕にとっては、そんな映画だった。
少しだけ、ほんの少しだけ隣にいる他人に寄り添えばいいはずなのに、そうじゃなくて、隣は自分とは違う種類の人間だと決め込んで境界線を引き、境界線の向こう側を攻撃したり、無視したりする。
自分とは違うと察する根拠が、ただの思い込みだったりするから、線を引かれた方は救われない。
その救われないツラさについて分かったようなことを簡単に言っちゃいけない、そう感じるくらい苦しそうだった。
どうにもならない苦しさを徹底的に映した後に、それでも希望を描くのかあ。
隣の他人に線を引かれたら、逆の隣を見よ。そこには寄り添うべき人がいるかもしれない。