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恋人たちのtakerootsboyのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
5.0
頭痛くなるくらい泣いてしまいました。普段悲しい映画見ても、悲しいなぁとは思うけど、こんなに泣いたことはない。現代を生きる人間の根源的な悲しみに、ここまで迫りまくった映画見たことない。どんだけ仲良しな友だちでも、恋人でも、結婚しても、家族でも、結局、自分は自分、他人は他人。大人はみんな、知らず知らず、そんな深い深い孤独の中で生きている。その孤独をいろんなもので誤魔化して、感覚を麻痺させながら、人生の表面にある平穏や、ときおりそこにおこる瞬間的な喜びだけに目を向けてる。ひとたび孤独の深淵を覗き込むような経験をしたり、そこにはまり込んだりしてしまったら、その人は周りのみんなからしずかに排除される。徹底的に。だけど、それでも人生は続いていく。いかに小さくとも、何とかそこに希望を見出して生きていくしかない。でも、むしろ、その深淵を知ってしまった方が、マシなんじゃないだろうかってくらい、みんな、はかないその場しのぎの幸福感にしがみついて生きてるんだよね。携帯電話の連絡先に並ぶ数多くの名前のなかに、何があっても、どんなひどいことが起こっても、絶対的に信頼できる人間が何人いるだろう。てか、ひとりでもいる? 見てる間じゅう主人公3人のあまりにも生々しい苦しみに、ほんとに心が引き裂かれる思いだった。究極的に人生は、自分という存在に、どんな人間がどのように関わっているかですべてが決まってしまうところが多分にある。人間存在の根底から湧き上がる大きな喜びがとめどなくあふれつづけるような人間同士のつながりを、どうしたら築けるのか。そのもととなる源泉をどうすれば発掘できるのか。どんなことがあっても崩れない幸福と、人生に対する絶対的な確信を、どうしたら持つことができるだろう。そもそも、そんなものが、存在するのだろうか。たとえ存在したとしても、それを手に入れる方法があるのだろうか。自分に少しでも関係のある、できるだけ多くのひとに、見てそれを考えてほしいと思った。そして、見終わった後も、そこから目をそらさないでほしいと。じゃないと知らないうちに人生おわってしまうよ。橋口監督すごすぎ、役者さんもみんな演技すごすぎ、ここまで踏み込んだすげぇ映画、ほんと、ないと思う。笑えるところも多いけど、めちゃめちゃヘビーな映画。何度も見たいと思った。