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恋人たちのninekoのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.6
言うなれば「カエルが降ってこない『マグノリア』」だろうか。そして、『マグノリア』はあそこでカエルが降ってくるからこそフィクションとしてパワフルな作品たり得ていたのだなあと実感させられるような、起承転結の転を抜かされうまく誤魔化されたような印象が拭えない映画だった。

勿論、いわゆる「映画的」なクライマックスを必要としない優れた映画もあるけれど、そのような作りにするには各登場人物を突き落とす絶望の密度が濃すぎる(逆に言えばそう感じられたこと自体がこの映画の描写力の確かさ・語り口の緻密さの証左でもあるのだが)し、「どこにでもある」ようなリアリティのレベルを超えてしまっているのは否めない。ゲイの弁護士が電話が切れた後も独白を続けるシーンでは、ズルいなあと思いつつも泣かされてしまったけれど。