MasayaJoe

恋人たちのMasayaJoeのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.8
恋人たちに限らずいつもだけれど、今回も演出のディティールにとにかく驚きっぱなしだった。あのおばさんが夕食後に机を拭く、人蔘のカスを手で拾っているをみて、ああそこまでやらせるのかと。机を拭く行為を演出するなら人蔘のカスを手で拾うくらいやらないといけないんだよなあと。あのおばさんの生々しさ。

疑問なのは、橋口監督は自らのセラピーのため、もっと言えば世のへの復讐のために映画を作っているのだろうかという点。インタビューを読んでみれば毎度毎度悪徳プロデューサーに騙されて弁護士の云々かんぬんの話が出てくるし、同性愛や自分の鬱の実経験を映画に転化させて描く人だと感じる。

現実に自分が苦しめられたものに、映画の中で主人公が苦しめられる。そこで発生する問題はどこか被害者意識に満ちている。
僕はこんなにかわいそうなんです!と表明しているようでもあり、ちょっと”たちが悪い”よなあと思っていたんですがどうなんでしょう。けれども主人公を苦しめる者もみな同じように苦しんでいるし、誰か一人を攻撃するための映画でないとは思います。

その部分、橋口監督の映画を見てズッーと引っかかっていたところで、とても好きなんだけど、どこかでちょっと嫌いな気もする監督。