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恋人たちのchiyoのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
4.0
通り魔に妻を殺害された男性、ひたすら退屈な日々を送る女性、同性愛者で完璧主義の青年。程度の差こそあれ、誰もが何らかの悩みを抱えていて、それを我慢したり取り繕ったりしている。その姿があまりにリアルで、特にアツシに対する社会の仕打ちと彼の怒りが、ただただ痛ましい限り。さすがに描かれたような保健課職員はいないだろうけれど、必要な人に生活保護が行き渡らない現実を見るとただの誇張とも思えない。スクリーンの向こうにある貧困や格差は、確かに現実に存在するものなのだから。ただ、生き辛い世の中を映し出すばかりではなく、瞳子のエピソードはなかなかコミカル。中でも、「コケーッ!」が忘れられない(笑)。努力した人が報われるわけじゃない、罪のない人に不幸が降りかからないわけじゃない、それでも、悲観せずに日々を生きていきたい。ラストの青空でそう思えた。