きよみず

恋人たちのきよみずのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
3.0
#274-2015
2本目はテアトル新宿で。ミニシアターの夜興行でもこんな混んでるんのか東京は。

人との繋がりを通して描かれる3人の群像劇。
奥さんを通り魔で失った男、夫との関係も無機質になって姑ともうまくいかない女、意図せず人の気持ちを害してしまうゲイの弁護士。
弁護士のエピソードは、他の2つとは重さというか、テイストというか何かが違っていたような気がする。思えば弁護士という2人と比べれば特殊な立場だったので身近に感じれなかったのかもしれない。

全編通して言えるのは、生々しすぎるほどの人と人との繋がり。ドキュメンタリー見ている気分。弁当屋の更年期っぽい女の人や役所の男なんかは、ああいうタイプの人間って実際にいるし見ていて嫌気がさした。
本編が進めば進むほど、どんどん重く閉塞されていくような感覚に陥るのだけども、観客という第三者の立場で見ているからこそ笑えるシーンがあったのは救い。いちいち絡んでくる美女水、注射のシーン、離婚調停の女なんかはほんと面白かったなあ。当事者にしたら笑えないのだろうけど。

どれだけ辛くても、死にたくて死にきれなくてもそれでも生きていかなきゃいけない。ほんと絶望に打ちひしがれたとき、青空であったり、ちょっとした出会いだったり、誰かとの会話だったり、ほんの些細なことで小さい希望になるんだろうな。

ぐぐぐっとカメラが寄るのは、びびった。
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