LalaーMukuーMerry

恋人たちのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

恋人たち(2015年製作の映画)
4.0
メディアでさんざん取り上げられる殺人事件における犯人の心の問題。その一方で何の罪もないはずの被害者の家族の心に残るトラウマ、こちらの方が大きな問題であるはずなのにそのことについてはほとんど取り上げられていない、という内容のニュースをTVで見た。彼らを正面から取り上げた作品を私は初めて見た。
             *
この作品は、心に傷を持ち、心を閉ざして生きている3人の物語が、同時進行で描かれるのだが、一番心を打たれたのは、その中の一人、通り魔殺人事件で妻を亡くしてしまった若い男(アツシ)の心の叫びだった。
             *
人には、誰にも話せない辛い苦しみや、隠しておきたい過去がある。それが、その人の核なのかもしれない。それから目をそらさず正面から向き合って描き続けること。それは、その人を肯定するということだ。難しいことだけど、それは必要なことだ。そして肯定することの先に、希望が生まれる。
             *
この作品の制作姿勢から、そんなメッセージが読み取れた気がする。
寄り添うこと、話を聞くこと、認めること…