Yuto

仁義なき戦いのYutoのレビュー・感想・評価

仁義なき戦い(1973年製作の映画)
3.9
戦後の広島。
広島ヤクザ「山守組」が敵対組織「土居組」を壊滅させ、後の朝鮮特需で巨大化。徐々に身内を統率しきれなくなり、熾烈な内部抗争に発展して行く……。
弱肉強食の世界で勃発する「広島抗争」の物語。

血で血を洗うその戦い。
欲望と憎しみが交錯する戦場に〈仁義〉などない。


恐らく最も有名で最も偉大な任侠映画。
ヤクザものはあまり観ませんが、クライム映画は結構好きです。
そして本作も面白かったです。今時の作品には見られないような、昭和ならではのエネルギーのようなものを感じます。


神輿と担ぎ手。
小さな器量しか持たぬ者が、人の上に立つとどうなるか。担ぎ手が増えすぎたらどうなるか。

統制を失った組織など最早組織ではない。私利私欲にひた走る殺気立った獣たちが繰り広げる、喰うか喰われるかの戦い。

仁義?どこの国のお伽噺だ。



余談ですが、ジャレット・レトー主演の映画『アウトサイダー』(2018)の冒頭で浅野忠信が刑務所で腹を切るシーンって本作のオマージュだったんですね。初めて知りました。

2021年34本目
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