まよいマイマイ

仁義なき戦いのまよいマイマイのレビュー・感想・評価

仁義なき戦い(1973年製作の映画)
4.5
20年ぶりに再見。
登場人物が多いのでよくわからない場面も多かったが今回は相関図を見ながらの鑑賞でそこはクリア。
襲撃や殺され方は近年の映画に比べたら残虐さやグロさはない。が、近年の映画にはない異様な熱量がオープニングからラストカットまでアップテンポで続いていく。
初見時は誰よりも臆病だが狡猾な山守組組長の金子信雄の名演に惹かれた。
今回、相関図をもとに俯瞰で見ることができて菅原文太や梅宮辰夫、松方弘樹といったメインの人物から神原という裏切り男を演じた川地民夫の名演も味わえた。
のらりくらりと極道の世界を渡り歩く槙原(田中邦衛)の終盤も素晴らしい。
かつて観た時は大人の男たちの群衆劇としても観ていたが、おそらく劇中の菅原文太演じる広能は20代。若者のやるせない青春物語としても傑作ではないだろうか。
ある襲撃に向かう前日、女を抱きながら「あとがないんじゃ、あとが」と口走るシーンや有名な「山守さん、まだ弾は残ってるがのぉ」など名台詞が多い。
もはや古典的作品だが、熱狂が薄らいでいる現代にこそ観るべき作品じゃあないでしょうか
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