実際に起きた広島の大規模なヤクザ同士の抗争を実際の人物の手記を基にドキュメンタリータッチで描いた任侠映画
「孤狼の血」を見て現代ヤクザ映画の原点を見たくなったので鑑賞。
思ったよりもドキュメンタリータッチで、誰かに感情移入するとかではなく、抗争を大局的に見る感じだった。なので胸に突き刺さるようなドラマティックさはなく、かなり無機質な感覚だった。
この映画を見て「許されざる者」を思い出した。いままで無敵のようなヒロイックとして描かれていた男たちは、実際は殺すのに怯え、百発百中などいるはずもなかった。という現実を伝えた「許されざる者」のように、ヒロイックに描かれてきたヤクザなんて現実にはいなく、菅原文太を通じて、仁義なんて泡沫のようなものだという事実を伝えるようだった。これは日本のアメリカンニューシネマだ！
安定のBGMと容赦ない描写。見ているときに何回「この人エゲツないわ〜」と呟いてしまったか。何発も何発も体にぶち込んで徹底的に殺すのも非常にリアルで怖い。容赦なくキャラを殺していくのも実録らしい感じだった。
菅原文太、松方弘樹、田中邦衛、そしてメチャクチャカッコいい渡瀬恒彦…梅宮辰夫と伊吹吾郎…渋い顔が連ねる…
「弾は、まだ残っとるがよう…」
主観的評価 35点
客観的評価 42点
77点
