「実録モノ」の嚆矢となった作品
ナレーション、音楽、カメラワーク等々、現代の作品にも通じる「実録風」と称されるテクニックの原点がここにある
まあそういった映像表現だけでなく、実際にヤクザだった人の手記がベースになっており、実在の人との対比も可能
かつて新宿・歌舞伎町のど真ん中にでっかい車で乗り付けた業界の人を観たことがあるが(大阪ナンバーだったと記憶。そもそも歌舞伎町の通りに車乗り入れようとは思わない)、まあその迫力たるや「本物はすげえなあ」と強い印象をもった
ここに登場する菅原文太以下の俳優陣も、この「迫力」を十分に発揮している
こういった「怖い」人々に加え、金子信雄のコメディリリーフ的な味わい、女性陣の色っぽさ、広島弁ならではの迫力、Vシネとはまた一味も二味も違う「ヤクザ映画」を堪能できる
実録だけに、その業界の人からの圧力もかなりあったという
この作品のwiki、当時の東映社長・岡田茂のwiki、脚本家・笠原和夫のwikiなどを読むと、さらにこの作品の味わいが増す
シリーズ全作がいいが、1作目から見たほうがより概略はつかみやすい
それまでの鶴田浩二、高倉健らの演じた「様式美」を廃したという点でも画期的な作品の原点である
このシリーズと「蒲田行進曲」を作った深作欣二という監督は偉大なエンターティナーだと思う