このレビューはネタバレを含みます
ヤクザな世界。
初っ端から終戦直後の喧騒、人々や空気感の圧が凄い。大人数のぶつかり合い。当時の空気。暴力にまみれて人を信用できない世界。
ノンフィクションのだからなのかとてもリアルに感じた。
バラエティでもよく使われる仁義なき戦いのテーマが流れるたびにおお、やってくれたな!てなる。
菅原文太さんの人間味が凄い。情に熱い目をしている。
金というのはいつの時代も問題になる。それがリアルに暴力に繋がる。
「狙われるやつより狙うやつの方が強い」菅原文太さんの言葉。
考え方が守りに入ったやつは死ぬだけ。それがそのまま現れる世界。
誰が裏切るか裏切られるか殺すか殺されるか、親分子分という疑似家族は常に崩壊の危機を孕んでいる。それが表でも裏でも。
一度言葉にしたことは守らなければならない。それをしないと信用を失っていくだけ。
信用を失う=死。だけれどもいざという時には自分自信が試合に出なければならない。
信用を得続ける言動一致をしつつ、切り替える時は一気に行く。なるほど。これが世の真理かもしれない。
人を信じるからこそ自分を信用してもらえる、しかしそれとは関係なく生き残るものは生き残る。だったら信用なんてされなくていいじゃないかとなるかもしれないが僕はその生き方はなんかしたくない。人に与えてあげられる人間がより多くの人から与えられる人間になる。そんな社会の方が僕は好きだな。